「家賃収入」…いい響きです。
「印税収入」と同じく、魅惑的な雰囲気に満ち満ちています。
所詮、私ら庶民には関係のない話ですが、今回は
この「魅惑の家賃収入」と同心の皆さんのお話です。
江戸時代、与力・同心の皆さんは、南北奉行所に行きやすい
ということで八丁堀辺りの組屋敷に集まって住んでいました。
役目に応じて大小の地所が割り振られていたようですが
その広さ、下っ端の同心レベルでも一人当たり100坪!
同じ100坪に、町人ならば20世帯近くは放り込まれていた
のですから格差ですね…格差。
昨今の議員宿舎問題が、ふっと頭をよぎらないこともないです。
100坪も土地があれば、家1軒建ててもまだ余りあるってことで
中には、その余った土地にもう1軒家を建て、そこに町人を
住まわせて「家賃収入」を得ていた同心の方もいたそうです。
ですが、お役人たちがお住まいになる「組屋敷」の敷地内に
一般の町人が住む、というのは具合が悪いというので
町人は町人でも、医者や儒者に間貸ししていたようです。
マジに格差です。
でも、この事実を踏まえますと「八丁堀の七人」において
仏の八兵衛さんの家に骨接ぎ医の弥生先生が住んでいたのは
ある意味、おかしくないのですね。
「妙な設定だな…」と思っていましたが、男女云々は別として
そういうシチュはあり得たわけです。
ところで…
江戸名物を表す言葉に「伊勢屋稲荷に犬の糞」というのが
あります。
「伊勢屋」の屋号、「お稲荷さん」、犬の糞など江戸に多いものを
言ったものですが、その八丁堀バージョンがこちら。
「儒者、医者、犬の糞」
「犬の糞」だけは、どこにでもあったんですね。
そういや、最近、見ないな~…犬の糞。
あ、飼い主さんがちゃんと始末しているのか!
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