同心の方々の大事なお仕事の一つ。
それは、悪人を「お縄」にすること。
つま~り、縛ることです。
というわけで、今回は同心の方々の「縛り」に対する
並々ならぬこだわりについてのお話です。
そもそも同心は「相手の片手さえ取れば、たちまち捕縛できる」
と言われるほど、巧みかつ効率的な捕縛術を会得しており
それには流派すら存在していたようです。
ちなみに、手元の資料には「方円流捕縛法18種」というものが
図入りで載っていますが、モノによっては、縛られた人が
「贈り物」みたいになっています。
ひょっとしたら、身分の高い人を縛る場合の方法なのかも
しれませんが、こんな飾りみたいなもの付けられても、縛られる側
としては嬉しくともなんともないでしょう。
むしろ、精神的にはかなり大きなダメージを受けそうです。
さて、捕縛に使う道具といえば縄ですが、それにも
いくつか種類があったようです。
赤・白・青・黒と色もカラフルで、一説には季節によって
使い分けたと言いますが、「捕縛」に季節感持たせて
どうしようと言うのでしょう。
「実際は、そんなことには構っていられなかったと思われる」
と、専門家の先生もおっしゃっています~。
ですが、北町奉行は白、南町奉行は紺、などという区別
はあったようです。
ところで、一言に「縛る」と申しますが、実際、本当に
縛り上げるのは、ほとんどクロであることが分かっている
容疑者や、牢に入る者、自白した者で、まだ刑が確定
していない者や取調べ前の者に対しては、結び目を付けずに
「巻く」もしくは「からげる・とりしめる」としていたそうです。
これは、現在のニュースなどで、手錠の掛かった映像にモザイクを
掛けたりするようなもんなんでしょうかね。
そういう相手に縛った結び目の跡をつけるなんてことは
「縛りのプロ」としては、恥ずかしいことだったそうです。
…五十歩百歩だと思うのは、私だけでしょうか。
お狐さま、好きこそ物の上手なれ、よ。頑張れ!
PR